日本の伝統的な料理に欠かせない、特有の辛味を持つからし。
からしを加えることで、おでんや肉まん、納豆の味わいが一層引き立ちます。
しかし、からしが一体何から作られているのか意外と知らないものです。
この記事ではからしの基本成分やなぜそのような鮮やかな黄色をしているのかについて
明らかにしていきます。
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からしの成分と製造過程について
からしは、特定の花の種子、具体的には「からし菜」という植物の種から製造されます。
この植物の種子は、「マスタードシード」とも称され
その粉砕と熟成過程がからし独特の味わいを生み出します。
唐辛子に由来する辛みとは異なりマスタードシードの粉末を
水分(特に温度が約40度のお湯が理想)と混ぜ合わせることで辛味成分が初めて生じます。
この過程で活動する「ミロナーゼ」という酵素が重要な役割を果たします。
興味深いことに、からし菜自体には強い辛みはなく
その葉を食べてもからし特有の辛さを感じることはありませんが、わずかな刺激は感じられます。
その複雑な製造過程から、家庭での手作りは難しく
多くの場合、利便性の高いチューブ入りや粉末状の市販品が用いられます。
粉末状のものは、マスタードシードを細かく粉砕して作られています。
からしとマスタードの違いについて
多くの人が混同することがあるからしとマスタードですがこれらは原料の種子は共通して
「からし菜」から来ているにも関わらず、異なる種類の植物を使用しています。
具体的には、和風のからしは「オリエンタルマスタード」と呼ばれる種類のからし菜の種を使用し
西洋のマスタードは「イエローマスタード」と呼ばれる種類のからし菜の種を基に作られます。
さらに、これらは製造プロセスも異なり、結果としてまったく異なる製品となります。
和風からし、しばしば「和からし」とも称されるのは
からし菜の種子を粉末にして水で溶いて作るもので純粋な種子のみを使用しており
独特の鼻を抜ける辛味が特徴です。主に薬味として利用されます。
対照的に、マスタード(西洋からし)は、種子に砂糖、ワイン、酢などの
調味料を加えることで作られ、種子を完全に粉砕するものから粒状を残すものまで
さまざまな種類があります。
これにより、和風からしに比べて風味がマイルドになり
辛味が苦手な人でも楽しめるようになっています。
からしの色の由来と市販品の成分
からしの特徴的な黄色は、どこから来るのでしょうか?
この黄色は、元々はからし菜という菜の花の一種から来ています。
からし菜の花が持つ自然な黄色が種子にも反映され、その結果、からしも黄色い色を帯びるのです。
しかし、市販されているチューブ入りのからしには
長期保存を可能にするためにウコンや他の着色料が添加されている場合があります。
これにより、商品によって色味に差が生じることがあります。
色の濃さや、赤みがかったものも見受けられます。
色素を気にする方は、パッケージに「無着色」の記載がある商品を選ぶとよいでしょう。
また、「からし」と「和からし」の名称がある商品には辛さの違いがあります。
「和からし」とされるものは、伝統的な「オリエンタルマスタード」の種のみを使用し
一般に辛味が強い傾向にあります。
これに対して、「からし」と表示されたものはオリエンタルマスタードと
イエローマスタードの種を組み合わせておりこれにより風味豊かで辛味はややマイルドになります。
用途に応じて、「からし」はシュウマイやトンカツなどの添え物として
「和からし」はおでんや角煮など、液体に溶かして使うのに適しています。
さらに、「からし」はその独特の風味を活かして
ソース作りにも用いることができ、料理のアレンジや隠し味としての利用が推奨されます。
まとめ:からしの成分と由来の要点
「からしは何から作られているの?」という質問に即座に答えられる人は多くありません。
しかし、本稿で説明した通り、からしは「からし菜」と呼ばれる植物の種子を原料としており
この情報が、からしの黄色い色味や、それが菜の花の仲間であることを理解する上で役立ちます。
食卓でのトリビアとして、または菜の花が旬を迎える時期に合わせて
からしを楽しむ際の話題としても面白いですね。